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セロトニンを増やす理由
睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンは催眠作用があり、このホルモンが分泌されると眠くなるという作用があります。
人間は体温が下がると眠くなるという性質があり、メラトニンの分泌によって深部体温が下がるため、眠くなるのです。
毎日同じ時間に眠くなるのはこのメラトニンの作用によるもので、体内時計を調整し、心身を健康な状態に保っているのです。
乳幼児が良く眠るのはこのメラトニンの分泌が盛んなためで、大人になると次第に分泌量が減ってくるという性質をもっています。
ちなみにセロトニンは寝ている間はほとんど分泌されません。
では何故セロトニンが快眠の鍵を握っているかというと、セロトニンはメラトニンが生成されるために必要だからです。
そのため良い眠りを手に入れるためにはセロトニンを増やす必要があるのです。
セロトニンの働きとは
セロトニンは神経伝達物質の1つで、精神を安定させたり、意欲を掻き立てるなど、自律神経のバランスを保つために欠かすことのできない物質です。
神経伝達物質であるドーパミンとノルアドレナリン、セロトニンが互いにバランスを取り合って、精神を健康な状態に保っています。
セロトニンはそのほとんどが小腸などの消化器官に存在し、脳内にはわずか2%しか存在しません。
脳内にはわずか2%しかセロトニンが存在しないものの、心の安定をコントロールしているのです。
ちなみにセロトニンが不足すると、感情をコントロールできなくなり、鬱病などの精神疾患を引き起こす可能性も懸念されています。
実際に鬱病で自殺した人の脳内には、セロトニンが少なかったというデータがありますし、鬱病の薬としてセロトニンの分泌量を増やす働きを持っているものがあります。
セロトニンを増やすには
太陽の光を浴びる
セロトニンを増やす簡単で有効な方法は、日中太陽の光を浴びることです。
セロトニンは日中その分泌量が増えるものですが、そのためには太陽の光を浴びることが大切です。
昼夜逆転の生活をしていたり、デスクワーク主体のため日中ほとんど太陽の光を浴びない人は多いかもしれません。
しかし1日何時間も太陽の光を浴びる必要はなく、1日15分から30分でも十分といわれていますから、意識的に日光を浴びるようにしましょう。
トリプトファンを摂取する
なお、メラトニンの分泌を増やすにはセロトニンを増やすことが大切ですが、セロトニンの材料になるのがトリプトファンです。
トリプトファンは必須アミノ酸の一種で、体内で生成できるものではありませんが、体外から摂取することが可能です。
トリプトファンを多く含む食品としては、お肉類や魚介類、穀物、乳製品などさまざまです。
お肉類や魚介類は100gあたり200mgから300mg程度トリプトファンが含まれていますし、穀類や乳製品でも100mg前後含まれています。
ちなみに安眠効果のある牛乳もトリプトファンは100gあたり40mgしか含まれていませんし、覚醒作用のあるグリコーゲンが含まれていますから、快眠のためにはチーズの方が望ましいでしょう。
トリプトファンの摂取量は成人であれば1日120mgといわれていますから、摂取量をクリアするのは難しくありません。
しかし不眠気味である、鬱気味であるという人は500mgから1,000mg必要とも言われていますから、意識的に摂取する必要があるでしょう。
トリプトファンの過剰摂取に要注意
とはいえ、トリプトファンの過剰摂取には注意が必要です。
トリプトファンが快眠に有効であるとしても、サプリなどを併用する必要はありません。
トリプトファンを過剰摂取したことにより、血液中の好酸球が増加してアレルギーになったり、激しい筋肉痛を生じた例も海外では起こっているようです。
実際にサプリの盛んな米国では上記のような健康被害が見受けられたようです。
1日3食栄養を考えてバランスよく食事をとっていれば、トリプトファンが不足することは滅多にありません。
一般的には1日500mg程度摂取すれば十分快眠できるようですから、過剰摂取には気を付けましょう。
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