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ダニが増えないための布団のお手入れ
布団を使う上で気になるのがダニ、ダニの全く生息していない布団などありません。
ダニの繁殖時期は高温多湿になる6月から8月といわれていますが、夏だけでなく冬も1年を通してダニは生息しているのです。
ダニは寿命が2、3か月と短いですが、卵をたくさん産むので、布団を清潔にしておかないとどんどんダニが繁殖してしまいます。
ダニが増えないための対策を講じなければなりません。生きているダニだけでなく、ダニの死骸や糞も皮膚に付いたり、吸い込んでしまうと体に害を与えてしまいます。
布団にダニが増えないためには普段からのお手入れと除去する方法を理解しておきましょう。
布団に増えるダニの種類
ダニは敷布団はもちろん、毛布や掛け布団、枕にも生息しています。
特に多いのが「ヒョウヒダニ」などのとても小さなチリダニと言われています。
大きさは0.3mmから0.4mmしかありませんので、肉眼で見るのはほぼ不可能でしょう。
ヒョウヒダニは人を刺したりしないので気づきにくいのですが、刺されないからといって布団にダニはいないと安心してはいけません。
またヒョウヒダニはアレルギーの原因ともなりやすいので注意しなければなりません。
特に現代は住宅の気密性が高くなっているため、布団にも湿気がこもりやすく、ダニが生息しやすい環境になりやすいのです。
またヒョウヒダニが増えると、今度はこのヒョウヒダニをエサとするツメダニが増えだします。
このツメダニは人を刺しますので、ダニに刺されるようになったと感じたら、相当にダニが増えていると考えてもよいかもしれません。
ダニが増える原因
ではなぜ布団にダニが増えてしまうのでしょうか。
それは温度や湿度など環境が生息に適しているためでもありますが、繊維の中に身を隠すには最適な場所なのです。
餌が豊富にあるのも理由の一つです。
特に布団には長時間人の体が触れており、寝ている間に人間の髪の毛やフケ、皮脂や垢などが大量に付着しやすいのです。
さらに布団の上でお菓子を食べたり、ジュースを飲むと、今度は食べかすやこぼれたジュースがしみこんで、ダニにたくさんエサを与えることになってしまいます。
このような普段の習慣からダニは増えてしまいますので、ダニを完全に除去するのは難しいです。
ダニを除去する方法
ではどのようにしてダニの繁殖を防げばよいのでしょうか。
まず夏場はダニが増えやすくなりますので、エアコンを活用し、湿度が上がりすぎないようにするとよいでしょう。
そしてすでに布団に生息しているダニやダニの糞、死骸を除去するには掃除機をかけることは有効です。
ただダニの拡大画像を見ると手足がギザギザになっており、繊維にひっかかりやすいため、ささっと掃除機をかけただけではダニを完全に吸い込むことは難しいので、ゆっくり時間をかけて掃除機をかけるようにしましょう。
また昔から行われているように天日干しに干して、布団内部を高温にしてダニを死滅させ、そして布団内部に溜まった湿気を追い出して、乾燥させることもダニが生息しにくい環境を作り出す上で重要です。
またダニを死滅させるには、布団内部の温度を50度以上の環境にして、20分から30分かかるといわれています。
布団を干す際も布団両面を最低でも1時間ずつ日光に当てることをおすすめします。
ただここで問題があり、日光の当たっている面は高温になるものの、当たっていない布団の裏側は50度以上にならないことがあります。
そうするとダニは温度の低い方に逃げてしまい、結局ダニを死滅させることができないということにもなりかねません。
ですから布団を干す際は上から黒い不織布などの布をかけてあげると、日光を効率よく吸収し、布団内部がまんべんなく高温になるのでおすすめです。
黒い不織布なんてないという場合は、布団乾燥機やタンブラー乾燥を使用すれば布団内部の温度を簡単に50度以上にできるので、布団乾燥機やタンブラー乾燥を使用してもよいでしょう。
ただし布団の素材のよっては、布団乾燥機やタンブラー乾燥を使用できないことがあるので、注意しなければなりません。
そして布団を取り込む際は布団を軽くなでるようにたたき、表面についたダニの死骸や糞を取り除いてから行うようにしましょう。
軽くたたくだけでは不安な場合は、掃除機をかけてから取り込むとなお有効です。
このようにダニが増えないための、自宅でできる対策法をいくつか紹介しましたが、やはり一番おすすめなのはクリーニングに出すことです。
クリーニングに出せば布団に付着したフケや垢、しみ込んだ皮脂や汗、ダニの死骸や糞などをすっきり洗い流すことができますし、高温乾燥機にかけることで生きているダニも退治することができます。
クリーニング店によっては防ダニ加工をしてくれるところもあるので、活用してみてもよいでしょう。
ダニが増えない布団の保管の仕方
またダニが増えないために、日ごろから簡単にできることもあります。
布団にシーツを掛けず、その上にそのまま寝ているのであれば、ぜひシーツを活用してください。
布団を丸洗いすることは難しいですが、シーツであればご家庭の洗濯機で簡単に洗えます。
ただし同じシーツを洗わずにずっと使っていれば、またフケや垢、皮脂などが溜まっていきますので、ダニも増えてしまいます。
シーツは1週間、少なくとも2週間には1回は洗濯するようにし、シーツを替えるようにしてください。
湿気の多いときなどは乾きにくいので、洗い替え用にシーツをもう1枚用意しておくとよいでしょう。
完全に乾かないうちにシーツを掛けてしまえば、布団に湿気が移ってしまうので要注意です。
また布団を敷きっぱなしにしていると布団と床の間に湿気が溜まって、ダニだけでなくカビも発生しやすくなります。
万年床は禁止、布団は敷きっぱなしにせず、布団の上げ下ろしは忘れずに行うようにしましょう。
かといってすぐに押し入れにしまってはいけません。
押し入れの中は空気が循環しないため湿気が高く、布団に溜まった湿気が逃げてはいきません。
朝起きたらすぐに布団を押し入れにしまわず、しばらくそのまま放置して湿気を放出してからしまうようにしましょう。
布団の上げ下ろしをしている最中は、目には見えませんが、ダニや埃など、ハウスダストが舞っています。
窓を開けたり、空気清浄機などを付けて空気の循環をしながら行うとよいでしょう。
また布団は押し入れにしまいっぱなしにせず、定期的に出して掃除機をかけたり、天日干しあるいは風通しの良い場所に陰干しするようにしましょう。
使っている布団はもちろん普段使っていない布団も同様に乾燥させる必要があります。
布団圧縮袋を使用している方は、除湿剤を一緒に入れて圧縮すると湿気が溜まりにくくなるのでおすすめです。
マットレスをご使用の方は天日干しが難しいと思いますので、風が通り抜けやすいよう、壁などに立てかけるなどして空気を入れ替えるのがポイントです。
押し入れの中はとかく湿気が溜まりやすいので、押し入れの湿気対策も重要です。
除湿剤は夏だけでなく冬も随時入れておくこと、閉めっぱなしにせず、天気の良い日は押し入れを開けて換気をするようにします。
また押し入れにギューギューに布団を押し込んでしまうと、空気の通り道がなくなって、湿気がさらにこもりやすくなります。
押し入れに入れる布団は最大でも7,8割程度までにし、スペースができるようにします。
布団の下はすのこを敷いたり、除湿マットを敷いておくのもおすすめです。
このように布団を保管する際の湿気対策をするだけでも、随分ダニの繁殖率が抑えられるはずです。
ダニが増えにくい布団とは
昨今はダニ対策として、ダニは通り抜けできない高密度なシーツもあります。
ダニがシーツを通して布団の中に侵入できないので、ダニの増殖を抑える効果も期待できます。
とはいえ、完全にダニの繁殖を防げるわけではありませんから、こまめなシーツの洗濯や掃除機掛け、布団干しは忘れてはなりません。
それから防ダニ加工された布団を利用するのもよいでしょう。
こちらは防ダニという点で一定の効果は期待できます。
一口に防ダニといっても、ダニを寄り付きにくくさせる忌避効果のあるものや、ダニの増殖を抑えるものなど2パターンあります。
かといって完全にダニを除去できるものではないことに留意し、防ダニ布団を使っているからと油断せず、日ごろのお手入れは忘れてはなりません。
防ダニ布団や高密度シーツを使った上で、上に述べたようなダニが増えないための対策を行えばよいのではないでしょうか。