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睡眠薬も正しい使い方をすれば怖くない
とかく悪いイメージのある睡眠薬ですが、不眠を解消したり、体調を取り戻すために飲まざるを得ない状況になることもあります。
用法、用量を守って正しい使い方をすれば、睡眠薬も怖いものではありません。
ちなみに一口に睡眠薬といっても、たくさんの種類があり、人によって効く、効かないなどの相性もありますし、効果が出てくるタイミングや持続時間も異なります。
睡眠薬を服用する場合は医師の指示に従うことはもちろんですが、服用する側も正しい知識を持っておきたいものです。
睡眠薬の種類で作用時間が異なる
まず睡眠薬が効果が出始めるタイミングや持続時間によって、睡眠薬をいくつかの種類に分けることができます。
効果の持続する時間が短い方から、超短時間作用型、短時間作用型、中間作用型、長時間作用型の4種に分けられます。
ハルシオンやマイスリーはよく聞く睡眠薬の名称ですが、これらは超短時間作用型に該当します。
超短時間作用型は体内での分解が早いため、作用時間が短く、およそ3,4時間で効果がなくなるといわれています。
一方で長時間作用型は効き目が長く続き、半日近く作用します。
長時間作用型に分類されるのは、ドラールやダルメートなどです。
睡眠障害によって睡眠薬を使い分ける
睡眠障害にも入眠障害、中途覚醒などいくつかの種類がありますが、症状によって睡眠薬を使い分けることが大事です。
短時間作用型の場合、早く効き目が出てくる分、作用時間が短いという特徴があります。
そのため、短時間作用型は寝付きの悪い入眠障害には向いているということになります。
一方で短時間作用型の睡眠薬は寝ている間に薬の効き目が切れてしまうため、夜中に目が覚めてしまう中途覚醒には向きません。
とはいえ短時間作用型、中間作用型であっても、5時間から8時間程度は効果が持続するので、睡眠時間をカバーできるでしょう。
ただ朝早く目が覚めてしまう早朝覚醒の場合、中間作用型か長時間作用型でなければ、効き目が途中で切れて目が覚めてしまう可能性は高くなります。
しかし長時間作用型は半日近く作用するため、日中まで眠気を引きずってしまうことにもなりかねません。
睡眠薬の副作用もさまざまある
睡眠薬は副作用が恐ろしいといいますが、具体的にどんな症状となって現れるのでしょうか。
まず睡眠薬の効果が翌日にもおよぶ持越し効果がありますが、日中に眠気や頭痛、めまいを起こすなど、生活に支障が出る可能性があります。
特に代謝の低い高齢者などは薬の分解などに時間がかかるため、この持越し効果が出やすいといわれています。
また睡眠薬には筋肉を弛緩させる作用もあり、翌日まで効き目が続くことで体に力が入らず、歩行困難に陥って、ふらついたり転倒する原因にもなります。
この持越し効果や筋弛緩作用はどちらかというと、短時間作用型よりも長時間作用型によくみられる副作用です。
一方で短時間作用型の場合、記憶障害がおこったり、睡眠薬を急にやめることで不眠症が悪化する可能性があります。
特に超短時間作用型は一気に効果が出始めるため、睡眠薬を飲んだ前後のことを忘れたり、夜中に起きたことを覚えていないなどの記憶障害が出やすいようです。
また睡眠薬を飲むことで精神的に不安定になることがあります。
特に睡眠薬をたくさん飲みすぎたり、アルコールを一緒に飲むと攻撃性が増したり、夢遊病が出るなど、おかしな行動をとるようになることがあるようです。
なお最近の睡眠薬は安全性が増しているものの、多少の依存性があることも忘れてはいけません。
睡眠薬で睡眠障害は治らない
ご存じのこととは思いますが、睡眠薬で一時的に眠れるようになったとしても、根本的に不眠症や睡眠障害が治るわけではありません。
それどころか睡眠薬を始めてしまうことで、睡眠薬をやめられなくなったり、急にやめることで症状が悪化することも考えられます。
眠れない原因は一つではありませんが、生活習慣などを見直さないと根本的に睡眠障害は治らないと思った方がよいです。
こちらの「眠れない原因は身近なところにあった」を参考にして、生活習慣を改善することから始めてみてください。