マットレスを畳の上で使うときの注意点
たまにマットレスを畳の上に敷いて使う人がいます。
私は古い人間なので、畳の上といえば敷布団というイメージがありますが、最近はそのように使う人がいるようです。
基本的にマットレスはベッドフレームの上で使うことを想定して作られています。
とはいえマットレスを畳に直置きして眠ることも、寝心地という観点からみれば、もちろん可能です。
しかしその場合は使い方を間違えると畳を痛めたり、マットレスの劣化を速めてしまう可能性があるので注意が必要です。
畳の上で使うマットレスの選び方
マットレスといってもウレタン素材のものや、コイルを使ったタイプなど、さまざまな種類があります。
ウレタンの中でも薄いタイプであるとやや底つき感が気になるところです。
畳はそれ自体にクッション性があるので、薄いタイプのウレタンマットレスでも寝れないことはありません。
薄手のウレタンマットレスであれば軽いので、通気のために壁に立てかけたりできるので、お手入れをしっかりししていれば、カビをはやしてしまうリスクも少なくなります。
薄ければ毎日押し入れにしまうのも楽なので、特に女性や高齢者の方は助かります。
しかしあまりに薄すぎると腰を痛めてしまったりしますので、やはりウレタンマットレスであれば、ある程度厚みのあるものを選んだほうが底つき感もなく、寝心地は良いでしょう。
マットレスの厚みは最低でも5cm、できれば10cm以上あるものを使うようにしましょう。
厚みが3cm程度しかないとあまりに薄すぎるので、単体で使うのは避け、既存の敷布団やマットレスと併用するなどして、底つき感を和らげるようにしましょう。
一方で最低でも5cmといいましたが、5cmでは大人が使うには少し物足りません。
体重をしっかり支えてくれないため、やや腰あたりに底つき感を感じるはずです。
また横向きで寝たときに肩が痛いと感じるかもしれません。
5cm程度の厚みのマットレスは体重の軽い子供に使用させるか、硬めのウレタンを使用したタイプを使うようにしましょう。
なお7cmくらいのマットレスであるとどうでしょうか。
7cmだと大人が寝れるギリギリの厚さだと思いますが、こちらもやはり腰や肩に底つき感を感じます。
体格の良い方だとちょっと心配なので、7cmのマットレスもあまりおすすめできません。
次に10cmですが、10cmあれば大人も子供も、体格の良い方もある程度満足できる寝心地を得られるのではないかと思います。
ただ10cmもあるマットレスだと丸めたり、畳んで押し入れなどに収納するのはちょっと大変です。
そもそもマットレスは収納するものではないと認識して畳の上に畳んでおいておくことは覚悟した方が良いかもしれません。
3~7cmくらいのマットレスであれば、コロコロとまいたり、三つ折り、あるいは四つ折りに畳んで、収納することはできますが、やはり底つき感が気になるところです。
どうしても収納を前提としたいのであれば、マットレストッパーとしての使用を考え、既存の敷布団やマットレスと合わせて使うとよいでしょう。
敷きっぱなしはNG
なお厚みのあるマットレスは収納が難しいという話をしましたが、マットレスの敷きっぱなしはしないようにしましょう。
というのもマットレスを敷きっぱなしにすると、マットレスと畳の間に湿気がたまり、カビが発生しやすくなってしまうからです。
カビが生えると寝ている間に吸い込んで健康に悪い影響を与えてしまったり、マットレスや畳が汚れたり、劣化してしまう恐れがあるからです。
マットレスを畳の上で直置きするなら、このような湿気対策は必須と心得ておきましょう。
そのため収納できないのであれば、壁に立てかけるなどして、通気の良い状態で保管しておくことです。
またマットレスを直置きするのではなく、すのこをしたに敷いて使えば通気が良くなるのではないかと思うかもしれません。
確かに通気はよくなりますが、畳みの上のすのこを敷くのはあまりおすすめできません。
というのもすのこ、特に木でできたスノコフレームなどは畳を傷つけてしまう恐れがあるからです。
持ち家だし畳に傷がついても構わないという場合は止めませんが、賃貸だとしたら退去時に原状回復しなければなりません。
もしかしたら畳の張替えが必要だからと、張替え費用を請求されるかもしれません。
またスノコを使用して多少通気性が良くなっても、毎日のマットレスの立てかけなどは必要です。
スノコを使えばお手入れが楽になるなどとは考えないほうが良いでしょう。
しかしながらマットレスのお手入れを毎日行っていても、やはりカビが生えないとも言い切れません。
というのも湿気のたまりやすい家だったりすると、寝ている間に湿気がたまってカビが生えてしまうこともあるからです。
特に湿気のたまりやすい家は、毎日窓を開けて換気したり、エアコンや扇風機をかけて湿気がたまりにくくする必要があります。
またマットレスの下にはスノコよりも除湿シートを敷くことをおすすめします。
除湿シートであれば畳を傷つける心配もありませんし、洗えるタイプもあり、畳んでしまうこともできるからです。
このような対策をすることで、マットレスや畳にカビが発生するリスクを大幅に低下させることはできるでしょう。
いずれにせよ、マットレスはベッドフレームの上で使うのが一番です。
しかしどうしても畳の上に直置きしたい、あるいはスペースの関係でそうせざるを得ないという場合は、ぜひ参考にしてみてください。