電気を付けて寝る人が増えている
あなたは眠るとき、電気を消して寝るでしょうか、それとも電気を付けて寝ますか。
中には常夜灯を付けて寝るという方もいるでしょう。
一昔前は、電気をつけたまま寝ると、もったいないと、ひどく怒られたものです。
しかし最近では電気をつけたまま寝る人は、かなり多いのではないでしょうか。
もったいないからというわけではありませんが、電気を消さないで寝るのは、あまりおすすめできません。
というのも、電気を付けっ放しで寝ると、体に悪影響を与える可能性があるからです。
熟睡できなくなる
電気を付けたまま寝ると、脳が覚醒状態になり、熟睡できない恐れがあります。
というのも、人間は光を浴びることで、体内時計を調整している生き物です。
本来暗いはずの夜間に、光を浴び続けると、まだ夜ではないと、体内時計が遅れてしまうのです。
また本来体内時計を調整するはずのメラトニンも、周りが明るい環境では分泌されにくくなります。
実際電気をつけたまま寝ると、そうでない場合に比べ、メラトニンの分泌量が約5分の1に減少するようです。
そのため、明るい部屋では眠れない、眠れても熟睡できないということになります。
メラトニンの分泌量が少ない状態で寝続けると、いずれ睡眠障害になってしまう可能性も否定できません。
実際不眠症である人は、寝る時間になっても、メラトニンの量が少ない傾向にあるようです。
太りやすくなる
また、女性は特に気になるかもしれませんが、電気をつけっぱなしで寝ると、太りやすくなります。
このことは、American Academy of Sleep Medicineの行った研究で明らかになっています。
この研究では、寝るときの照明が明るければ明るいほど、肥満傾向であることが分かっています。
肥満傾向であるとは、つまりBMI値が高かったり、ウエストが大きかったということです。
理由としては、やはり光が人間のホルモンバランスに影響を与えるからだといわれています。
ホルモンには食欲を増進したり、抑制するホルモンもあります。
おそらく、この食欲を管理するホルモンのバランスが崩れることで、食欲が止まらなくなってしまうかもしれません。
そればかりか、熟睡できないことで、成長ホルモンの分泌が十分になされないと、脂肪が分解されにくくなります。
その結果、電気を付けっ放しで寝ると、太ってしまうという結論になるのでしょう。
うつ病やがんになる
また電気をつけたまま寝ると、うつ病になるリスクも高めるといわれています。
おそらくこれも、体内時計が狂ってしまうことで、うつ病になってしまうのでしょう。
このことは、奈良県立医科大学の研究で、明らかになりました。
またハーバード大学附属病院の研究では、乳がんや前立腺がんの発症リスクを高めることもわかっています。
メラトニンは睡眠を促すだけでなく、がん細胞を排除する、ナチュラルキラー細胞を活性化させる働きがあります。
ですから、電気を消さないで寝ると、メラトニンの分泌が不十分になり、免疫力が低下します。
その結果、がんになりやすくなるというわけですが、実際男性の夜勤労働者は前立腺がんになりやすいとも言われています。
このように、電気をつけたまま寝ると、体にとって危険がたくさんあることが分かりました。
暗いと眠れない、つい電気を消すのを忘れてしまうのかもしれませんが、なるべく電気を消して寝るようにしましょう。