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高齢者は眠れない!?年齢と睡眠の関係とは
年を取ると昔のようにすぐに眠りにつけない、ぐっすり眠れない、夜中に何度も目を覚ますという声をよく聞きます。
朝も早く目が覚めるといいますが、高齢者の睡眠の特徴とはそのようなものなのでしょうか。
寝坊したいわけではありませんが、布団に入ったらすっと眠りにつけて、朝までぐっすり眠りたいと考えるのも当然です。
なぜ歳をとると寝れなくなるのか、そして高齢者もぐっすり眠るためにはどうすればよいのでしょうか。
高齢者の睡眠は浅い
歳をとると眠れなくなるのは、一つに高齢者の睡眠は浅いという特徴があります。
子供は一度眠りについてしまうと起こそうとしてもなかなか起きてくれませんが、高齢者は眠りが浅いのでちょっとした音で目が覚めてしまいます。
高齢者は深い眠りであるノンレム睡眠の深さがなく、浅い眠りであるレム睡眠を維持できずに覚醒してしまう傾向にあります。
またノンレム睡眠がそれほど深くないので、深い眠りと浅い眠りが頻繁に切り替わり、夜間に目が覚めたり、早朝覚醒してしまうわけです。
必要な睡眠時間が短い
また高齢者は睡眠時間も短いと思いませんか。
これは気のせいではなく、高齢者の平均睡眠時間は6時間ほど、8時間から長い人は10時間ほど寝る若者に比べれば、圧倒的に睡眠時間が短いのです。
当然若者に比べれば運動量も少ないですし、脳も回復のために睡眠を必要しなくなるので、必要な睡眠時間が減ってきます。
にもかかわらず、疲れたからという理由で必要以上に睡眠をとろうとして、入眠障害や早朝覚醒が起きやすくなるのです。
早寝早起きが多い理由
高齢者に早寝早起きが多いのも同じ理由から説明ができます。
必要な睡眠時間が減っているのに、若いころと同じような時間に寝ようとすれば、朝目覚める時間も早くなります。
また早く起きると夜眠たくなる時間も早くなるので、朝に起床時間が前倒しになります。
このようにして生活リズムが前進していくわけです。
高齢者の早寝早起きはそれほど気にする必要はありませんが、社会生活に影響を及ぼすほどだと別の問題も考えられます。
これは生体リズムを調節する機能が正常に働いておらず、日中活動する時間帯に起きていられない、睡眠相前進症候群という睡眠障害の可能性もあるからです。
高齢者が快眠を手に入れるには
高齢者のこのような睡眠の変化は避けがたいものですが、まずはご自身がいまどのような状態にあるのかを理解しなければ、快眠を手に入れることはできません。
自分が今どれだけ睡眠を必要としていて、そのために何をすればよいかを理解すれば、年配の方でも睡眠の質を上げることは可能です。
昼寝や夕寝をしない
まず高齢者は夜しっかり寝たいのであれば、昼寝や夕寝をしないことです。
昼食を食べた後や、夕日が沈む頃眠気が襲ってくることがありますが、こうした昼寝や夕寝が夜間の睡眠を阻害するからです。
適度な仮眠は認知症予防にも良いといわれていますが、1時間を超える長い仮眠は逆効果ともいわれています。
どうしても眠りたければ、時間は短めに抑え、15分から20分程度の仮眠にするとよいでしょう。
日中運動すること
また夜ぐっすり眠るためには日中体を動かすなどして、ある程度体を疲れさせることが大切です。
体を動かすことで、柔軟性や筋力がつくだけでなく、日中の覚醒度が上がり、日中眠気を感じたり、昼寝をすることが少なくなります。
激しい運動ができなければ、午後にでも、眠くなりそうな時間に家の周りを散歩するだけでも良いでしょう。
いきなり毎日がしんどければ、週2,3回からでも構いません。
歳をとっても人間メリハリが大事です。
運動をして覚醒度を下げることで、夜間の眠りの質も向上するでしょう。
太陽の光を浴びる
また昼間運動をすると太陽の光も浴びることができ、睡眠の質を向上するのに役立ちます。
太陽の光は睡眠ホルモンといわれる、メラトニンが合成するのに欠かせないからです。
ただあまりに早い時間に太陽の光を浴びてしまうと、夜早い時間に眠くなってしまうので注意が必要です。
というのも、太陽の光を浴びてメラトニンが合成されるまで約14時間ほどかかり、2時間かけて分泌量が最大になるといわれています。
早朝、例えば朝5時に目が覚めて朝日を浴びてしまうと、夜7時頃には眠くなり、8時、9時には眠くて起きていられなくなるからです。
高齢者の平均睡眠時間は7時間といわれていますから、この時間帯に寝てしまうと、翌日は早朝3時、4時には目が覚めてしまう計算になります。
ですから朝早く目が覚めてもすぐに太陽の光を浴びようとせず、何時ごろ寝たいかを考えて逆算してカーテンを開ける時間を決めるとよいでしょう。
例えば夜10時に寝たいのであれば、朝6時~8時頃に光を浴びるという具合です。
最後に
高齢者になると睡眠の質が低下するのは避けがたいことですが、人と比べたり、理想を追い求めすぎないことが大切です。
必要な睡眠時間は人によって異なりますし、日中の活動状況によっても左右されます。
自分に必要な睡眠時間がどの程度か、睡眠の質を高めるにはどうすればよいのか、上記に挙げたような対策を試しながら、考えてみてください。
いずれにせよ朝起きたときにぐっすり寝た感覚がある、日常生活に支障があるような日中の眠気がないのであれば十分です。
少しでも満足できるような睡眠がとれるようになっているのならば何よりです。