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枕の歴史は400万年
毎日当たり前のように使っている枕ですが、枕がこの世に誕生したのはいつごろか知っているでしょうか。
その時代、時代によって枕の素材や特徴、用途も異なっていたようですが、現在知られている最古の枕はアウストラロピテクスが使っていたといわれています。
アウストラロピテクスといえば最古の人類といわれ、約400万年前から200万年前に地球上に存在していたようです。
アウストラロピテクスが使っていた枕は石を砕いたもので、実際に睡眠時に使っていたのかは不明ですが、枕のような化石が見つかっているのは事実です。
私たちも枕を使わずにそのまま寝るよりも、枕を使った方が頭にかかる負担が軽減され、寝やすいと感じます。
私たちの祖先も、頭の下に手や腕を敷いて寝た方が楽だと本能的に感じ取っていたのだと思いますが、その代用品で木や石を使っていたのでしょう。
日本での枕の歴史
日本では福井県にある甑谷在田遺跡から、弥生時代のものと思われる木製の枕が見つかっています。
この弥生時代の枕が日本では最古の枕と考えられていますが、木棺墓の中から見つかっているため、実際に睡眠時に使用していたかどうかは不明です。
どちらかというと、睡眠のための枕というよりも、位の高い被葬者を埋葬するために枕を用いるという文化だったのかもしれません。
その後、奈良時代や平安時代も枕が使われていたようですが、実際に現存する枕もあるようです。
奈良時代の枕が奈良県正倉院に白練綾大枕という草で編んだ、箱型の枕が実際に現存しています。
平安時代には藤原清衡が真綿の枕を使用していたといわれていますし、室町時代には髪型が乱れないように、首を支えるタイプの枕が使われていたようです。
江戸時代には男性も女性も色んな髪型が流行りましたが、多種多様な髪型に合うように枕の形も多種多様になりました。
時代劇で見かける枕は木枕の上にくくり枕を乗せた箱枕といわれるもので、髪型が崩れないように高い枕が流行していたようです。
明治になると断髪令も相まって枕に髪型が崩れない性能は求められなくなり、綿や籾殻、蕎麦殻を入れた円筒型のくくり枕が主流になりました。
その後昭和にかけて現代のような枕に進化していったのですが、まさに快適な睡眠を求めた枕になっていったのです。