睡眠時間が短いほど高血圧になる
健康診断を受けると決まって血圧が高い、というあなたは普段睡眠をしっかりとっていますか。
睡眠と血圧には深い関係があり、寝不足な人ほど高血圧になるリスクが高いといわれています。
実際、アメリカのシカゴ大学の研究では、睡眠時間が短いほど、高血圧になる可能性が高いことが明らかになっています。
高血圧であることが、体にいかに負担をかけ、病気のリスクを高めることは容易に想像できます。
今現在血圧が高いのであれば、食事に気を使うだけでなく、寝不足の解消にも努めた方が良いでしょう。
寝不足で自律神経が狂う
ではまず、なぜ寝不足が血圧を上げることになるのでしょうか。
これには睡眠不足によって、自律神経が狂ってしまうことが考えられます。
普通血圧は、朝起きたときから徐々に上昇し、日中にMAXになって、夕方から少しずつ低下していきます。
そして眠っている間、血圧はもっとも低くなるわけですが、この血圧をコントロールしているのが自律神経なのです。
交感神経と副交感神経という名前を聞いたことがあると思いますが、眠っている間は副交感神経が優位な状態となります。
この2種類の神経スイッチが切り替わることで、血圧を上下させているわけです。
しかしながら、眠らないということは、交感神経が活発な状態がずっと続く、ということを意味します。
その結果、自律神経のバランスが崩れてしまうのでしょう。
高血圧の中でもリスクが高い
正しい時間に寝ないと、血圧が下がるべき時間に下がらない、ということになってしまいます。
その結果、夕方、夜間、早朝であっても、血圧が日中と同じくらい高い状態が続いてしまうということになります。
血圧が高いと、それだけ血管に与える負担も大きくなるでしょう。
それに本来血圧が低いはずの早朝や夜間に血圧が高いのは、一般的な高血圧よりももっとリスクが高いといわれています。
ある研究では、心筋梗塞や脳卒中のリスクが一般的な高血圧より、6倍も高いという報告もあるようです。
このことから、寝不足によって血圧が高いのは、いかに危険であるかが分かります。
睡眠障害で血圧が高くなる
また、中にはちゃんと寝ているのに血圧が高いという人もいるでしょう。
もしかしたら質の良い睡眠がとれていない、睡眠障害であるがために、血圧が高いのかもしれません。
例えば寝ている間の呼吸がうまくできない、睡眠時無呼吸症候群という睡眠障害があります。
睡眠時無呼吸症候群の恐ろしいところは、本人でさえ気づいていないことがあるという点です。
この睡眠時無呼吸症候群によって、高血圧になっている人も多いのです。
その場合、いくら降圧薬を使っても高血圧が良くならなかったのに、睡眠導入薬などを使うことで改善することもあるようです。
正直な話、寝不足によって血圧が高くなることの、直接的な関係は明らかになっているわけではありません。
しかしながら多くの実験結果から、寝不足の人が高血圧になっているケースが多いことは間違いないのです。
ですから今血圧が高くて悩んでいるのなら、寝不足を解消するに越したことはないのではないでしょうか。
血圧に限らず、睡眠は健康の元、寝不足は万病の元ですから、なるべく寝る時間を確保するようにしましょう。