睡眠と免疫の関係について
世界的に広がりを見せているコロナウィルス、感染しないように日々気を付けていることと思います。
ウィルスに感染しないためにはやはり強いからだ作りが大切ですね。
そのためには免疫力をつけることが大切ですが、免疫力を高めるために睡眠が不可欠です。
なぜ睡眠が大切なのか、睡眠と免疫力の関係について考えてみたいと思います。
睡眠不足でウィルスに感染しやすくなる
深夜勤務や残業で寝不足が続くと、風邪をひきやすくなりますね。
いろいろな研究で睡眠時間が短いほど免疫力が低下することがわかっています。
もちろん時間だけでなく、睡眠の質も重要ですが、時間も免疫に及ぼす影響があるということです。
カリフォルニア大学の5日間に及ぶ実験では、7時間以上睡眠をとっている人に比べ、睡眠時間が5時間未満ではウィルスに3倍感染しやすくなりました。
たった5日でこれだけの差がありますから、日常的に睡眠が不足していると考えると恐ろしい数字になりそうです。
人間は睡眠によって体力の回復や脳の休息、細胞の修復などを行っていますが、睡眠が足りていないと当然免疫細胞の生成や修復も行われなくなります。
睡眠不足によってマクロファージなどの免疫細胞の働きも不活性化されますし、自律神経のバランスも崩れます。
免疫ホルモンの分泌も促されないため、ウィルスに侵入されたり、打ち勝つことができなくなってしまうわけですね。
また風邪をひいたりインフルエンザになると熱が出ますよね。
これはサイトカインという物質が体温を上げて、熱に弱いウィルスを退治しようとしているわけです。
サイトカインは寝ている間にその血中濃度が増すといわれています。
ですから睡眠時間が減ればそれだけサイトカインの減少して、免疫力の低下につながります。
睡眠不足は予防接種の効果も半減させるといわれています。
仮にコロナウィルスのワクチンが開発されても、しっかり寝ていないとその効果を十分に享受できなくなってしまいます。
このように免疫力を維持するためには睡眠をしっかりとることが大切というわけです。
ですからコロナウィルスに負けないためにも、最低でも毎日7時間、睡眠をとるようにしましょう。
コロナ不眠になる理由
一方でコロナ禍で眠れない、いわゆるコロナ不眠に悩んでいる人もいます。
免疫力を高めるために睡眠をとりたくても眠れないというジレンマに陥ってしまうのです。
ではなぜコロナ禍で眠れなくなってしまうのでしょうか。
原因はいろいろありそうですが、まず生活習慣が変わったことがあげられます。
人間は規則正しい生活をすることで自然と決まった時間に眠くなるのですが、緊急事態宣言などもあって自宅で過ごすことが多くなり、生活習慣が大きく変わった人も少なくありません。
在宅で仕事をしているため、ON・OFFがはっきりしない、通勤や通学がないため体を動かさなくなった、子供が家にいるためにやることが増えたなど、あげればきりがありません。
クラブや部活動の制限、運動をするにもジムにもいきづらい、外でランニングをするにも感染のリスクがあるなど、八方ふさがりの状態です。
またコロナにいつ感染するかもしれないという不安や、仕事や将来に対する不安など、心身に強いストレスがかかっていることも要因の一つかもしれません。
こうした状況で脳が興奮状態のままになり、夜布団に入っても眠れないということもあると思います。
このようなコロナ不眠に打ち勝つには、適切なストレスマネジメントを行うこと、また生活習慣が変わっても規則正しい生活を心がけることが大切です。
状況に応じて睡眠薬の服用なども検討が必要かもしれませんが、睡眠薬は対処療法に過ぎません。
まずは根本的に解決のために専門の病院に受診することも大切です。
夏にいったんコロナウィルスも収束しそうな気配がありましたが、本当に恐ろしいのは秋冬だといわれています。
ウィルスは冬に感染力が増すといわれていますし、人間も体温が下がって感染しやすくなります。
また湿度も低下するので粘膜が乾燥して、ウィルスも体内に侵入しやすくなります。
今まで以上に手洗いうがいやマスク、ソーシャルディスタンスなどを心がけて、コロナウィルス対策をしていきたいものです。